バーニーズ・ニューヨークが閉店した日に、思い生理痛を抱えてセレコックスしかない実家でこたつの中でひたすらミラノコレクションをみていた。
コロナウイルスの思わぬ余波でインバウンドに頼っていた日本の百貨店はどうなってしまうのだろう。
人影もまばらだ。
SNS時代とうまく寝てみせたアレッサンドロ・ミケーレのグッチをみる。
ああ、グッチ的ロマンティシズム。
彼は天才だろうか、でも私はそれには乗らない。
ファッションが環境汚染を助長していると言われて久しい。
こんな時代錯誤な業界に私は未だに執着している。
小さい頃誰に言われるでもなくCSのプロジェクトランウェイとかファッションニュースの番組を見ていたときからなぜか私はハイファッションに夢中である。
母親も父親も特段洋服やハイブランドに意識の高い人達ではなかったけれど。
大学時代はバイト代のすべてを洋服に注ぎ込み、受注会で予約した服代を捻出するために毎月食費を削っていた。
ニュアンスとフォルムが服では一番大事だと思う。
ヴィヴィアンウエストウッドのドレスのドレープやスカートの立体感に心奪われたことを覚えている。
何を着るか決めるときはいつも引き算だ。
これはやらない。
これは着ないことから考えていく。
私はブランドのロゴものは着ない。
服での自己顕示欲を嫌っているから。
ダウンジャケットは着ない。
ずんぐりむっくりしちゃうから。
結婚式をするくらいならそのお金でサンローランのスーツを仕立てたい。
インスタグラムで流れてきたボッテガ・ヴェネタのアイスブルーのクラッチバック。
ボッテガなんて下品って思っていたのにそのあまりの可愛さに(あまりにベージュのトレンチコートとの相性が良い)どうやって40万円を捻出するか考えているのだ。
お洋服を目の前にすると私の頭はくらくらと狂っていく。
待ちに待ったレディースへの復帰である。
カルバンクラインに札束で頬を叩かれた彼のみんなが望んだ復帰劇である。
くらいニュースの続くファッション業界における明るいニュースである。
2021シーズンのランウェイを心待ちにして私は生きていくだけ。
by 白ワイン3杯