9人くらいしかいない友達のうちの一人が結婚する。
私が知らないよくわからんおっさんと結婚する。
めでたいではないか。
私は気持ちと思いのこもりまくった食器セットを結婚式に行けない代わりに送る。めちゃくちゃにおしゃれなネットショップで買った、超おしゃれな食器セット。子供ができたらシリーズで買い足してねとのおなじみのキモいメッセージを添えて。
飲んで書いているうちに大学時代を思い出し涙が止まらなくなる。
あああ、あんなにも一緒に飲んだくれていた私の友達。飲みまくっていろんなことの悪口とかやりきれない思いを吐露しあっていたドロドロの日々。
新たなおっさんの存在と、降り注ぐ月日が私たちに再びそんな日々を送らせることを拒むのだ。
私の悲しみを他所に、私の送った素敵な食器で新婚生活を彩ってくれ。
こんな気持ちになることが後8回あるという恐怖に慄いた私は1万円を握りしめ婚活アプリに手を伸ばした。一心不乱に検索で出てきたおっさんにいいねとクズみたいなメッセージを送りまくる。よろしくお願いします。会いたいですね。素敵ですね。是非一緒に行ってみたいです。今度教えてくださいね。尊敬します。幸せな光景が目に浮かびますね。わあ、すごい。
結婚したいわけではないけれど、周囲がそれを強いるのでポーズだけでも見せておくという安易な道に逃げた私。周囲のせいにはしないぜしかし。それに耐えられない弱い心の持ち主だからなだけだからなクソやろう。
婚活アプリでは嘘ばかりついているのでしんどくなる。
必死に婚活するおばさんを笑わないで世間よ。
一言一言やりとりする度に、私たち何かを失っているの。
byエビスビール長いやつ 2本