drunken J**** in a motel room

文字通り酔っ払った時に書いてるブログ

今ならイエローだってほこりを持って言えるよ

田中宗一郎氏と宇野維正氏の大阪でのトークライブの後半にて、宇野氏が言った言葉。

私と彼は考え方がぜんぜん違うなと常々思うのだけれど、この言葉にはまさにそうだよね!意を得たり!であった。

 

大統領選挙の余波がなぜか日本でも続いているので。

日本におけるトランプ支持者ってなんなのだろうと考えてみる。

 

(今日もトランプ支持者が路上で民主党支持者に殴られていたみたいな映像がviralになっていた。それが一部を切り取られた映像であったという落ちまでついて。

選挙の不正について裁判をすればトランプに利がある、これはジュリアーニ元市長も保証していることです、みたいなツイートも見た。

ジュリアーニウクライナ疑惑の共犯者なのでそりゃそれを言うだろうので、それを根拠に出すのはなにも根拠がないということに等しい。。。にもかかわらず。)

 

かと言って私だってトランプに詳しいわけではない。多分支持者の方々のほうが彼に詳しいだろうし、それに付随する出来事について弁明もたくさん持っているだろうと思うので彼のおかしな点を一つひとつ挙げていっても意味がないと思うので語らない。

 

なぜ私がトランプを支持しないかというと、彼が差別主義者だからである。

バイデンが良いという選択肢は存在しない。

ただ圧倒的にトランプがだめなのである。

トランプが大統領になったこの四年間で大きく変わったことはたくさんある。けれども振り返って一番思うのはdiversity とinclusionというそれ以前の日本ではおよそブレイディみかこしか活字にしていなかった概念を一般に浸透させたことである。

はじめはポリティカル・コレクトネスという呼び名で。

これはトランプに対する反動としてこんなにも広まったのではないかとさえ思う。

 

太古の昔から連綿と続いてきたBLM問題がついに日本において取り上げられたのだって、コロナという事象に合わせてこの価値観が浸透したからでもあると思う。

 

当事者意識なんて必要ない、とは件のトークライブで田中宗一郎氏が発した言葉である。

それは正しいと思う。

ただそれがないと物事について考えられない人だってたくさんいる。

自分の身に迫って考えないと人間は理解ができないのである。多くの人はそういう考え方の訓練を受けていないから。

 

トランプが差別しているのは黒人だけではない、LGBTQだけではない、女性だけではない、自分に属さないもの全てである。というかそういう意識すらないと思う。

 

そういった考えを支持してしまうのが本当にやばいのである。

私達イエローだって差別されている側なのにということよりも、一つのイデオロギーでもってとりあえず自国の利益を追い求めていくことだけが大事という考え方を支持しちゃうのがやばいのである。

 

自国の利益を追い求めるがゆえにアマゾンはどんどん燃やされている。

+Jに群がってファストファッションのお洋服を買えば買うほど環境は汚染されていく。

こうやっているうちにもコロナウイルスも広まっていく。

 

みんながなんとなくこのままじゃやばいよ、まじで人間って破滅にむかってんじゃないのという雰囲気はシェアしているのにその解決策として富国強兵を追い求めるなんて本当にイルだなと思わずにはいられない。

 

グローバリゼーションを推し進めたのも自分の国の利益を追求しようと考えた14世紀くらいからの習慣だと思いますが、そこから多くの時間を経ても人間は同じ行動を繰り返さずにいられないのはなぜなのか。

橋下徹がばかにする、人文系の学問が長い年月をかけてその反省を繰り返してきたわけですが、いつの時代でもそれをバカにする人々によって戦争が引き起こされてきたと思うのですが。

 

BLMをみてなぜか暴動を繰り返す黒人のビデオだけ取り上げ、これがBLMの本質だという人々は、奴隷船に載せられ、所有物としての扱いをうけ、文化を奪われ、いわれもなく虐殺されたその何百年にも渡る歴史をどう捉えているのか。

20世紀に行われた蛮行だけでも目を覆いたくなる酷さである。それをビデオにして流せ。

それって歴史だから現代の問題とは関係がないよね、とでも言うつもりか。

BLMの本質は何百年にも渡って差別され、虐待され、殺害され文化さえも盗用されてきた人々が未だに同等の権利を、それも最低限の権利も社会的に与えられていないということへの抗議である。

なんでそれを自分のイデオロギーの正しさを示すための矮小な議論に落とし込まれなあかんねん。

 

日本人だって差別を受けてきた。そして今も受けている。

イエローだからあいつら原爆を落としたんだぜ、とは宇野氏の言葉であったか。

 

 

by アシードアスター

 ここまでを1週間前に書いてなんとなくおいておいたのだけれど。

ツイッター愛国者たちの陰謀論支持に頭をくらくらさせながら、高橋芳朗さんのディスイズアメリカを読んだ。

2014年くらいからの音楽を起点として今のアメリカ社会について解説していく丁寧な本である。

ものすごく良い本なので陰謀論支持者のみなさんも読んでみてください。

 

音楽に政治を絡ませるなと日本で言っている人たちも読んでください。