今週のお題「わたしの好きな歌」
冠婚葬祭が嫌いだ。でも私の人生で冠婚葬祭について決めていることが2つある。
葬式に流す曲と、結婚式に流す曲だ。
実際に執り行われるかは別にして。
- 葬式に流す曲
- 結婚式に流す曲
- 人生には音楽が必要、少なくとも私の場合には
- 葬式に流す曲
ディア・ハンターのヘリコプターという暗い音楽をあなたはご存知だろうか。ゲイの少年がリンチされ死んでいく中最後にヘリコプターが頭上で回っている音だけが聞こえるという内容の曲である。ディア・ハンターの傑作アルバムのなかに収録された、大名作である。死は美しいものではない、徹底して惨めなものではあるもののこのくそったれた世界では唯一の希望でもある。ブラフォードコックスの声と、ヘリコプターをイメージしたであろう繰り返されるメロディー。リピートしてかけるといい感じにトリップできるのもある種お経に似ている。
- 結婚式に流す曲
ベル・アンド・セバスチャンとかいうハッピーフィーリングなのかなんだか不幸を背負っているのかよくわからなくなるバンドの、世の中に対するあきらめから逆に希望を歌ってみせるノーバディーズエンパイアというお花畑な音楽をあなたはご存知だろうか。ストラグルのはてにすごく素敵な奥さんを手に入れたぜという曲である。”本や希望にすがって生きているってばれたら、銃撃の的になるかな”というこの一節は私の心を撃ち抜いた。これを聴いて一緒に涙ぐんで誰のものでもない帝国の端に一緒に立ってくれる人と結婚したいのだ。
- 人生には音楽が必要?本当に?
狂ったように音楽を聞き何かを考えていた十代の頃とは時代が違うのだ。10代の荒野を超えてしまいなにもないところに来てしまった私は寄る辺もなくサブスクの海を漂っている。今でも時々、なんでクラクソンズほどクレバーなバンドがあんな結末を迎えたのか、とかトム・ヨークはどうしちゃったのよ、とか考えながら、でもジェイハスの新譜を心待ちにしているし、ヴァンパイアウィーケンドの新譜を拳を振りかざして迎え、未だに噛み締めている。好きな歌なんてたくさんある。好きなバンドだってたくさんある。自伝を書くならば各章のタイトルは各時代の音楽にするに違いない。なんの因果かザ・フーにほれこんでまだ音楽の森を漂っている。きっとこれからもずっと
by totally sober